文庫本サイズの上製本『一年前の猫』(近藤聡乃/ナナロク社)の帯には「猫のエッセイと絵 小さな作品集」と本の説明があるだけで、よくある著名人の推薦文や売らんかなの煽り文句はなく、この本の趣旨がわかったらさっさと帯を外して本をめくりなさいと言われているような気がします。
近藤さんの家で三年前から暮らす猫たちにまつわるエッセイ八篇が基調ですが、エッセイとエッセイの間に別紙(!)で挿入される絵のページ、巻頭、巻末に置かれた二つ折と四つ折りの別丁扉と凝りに凝った造本は、本という「もの」の魅力を教えてくれます。
この九月に無職となって、少ない蓄えを切り崩して細々と生活している身としては、まず切り詰めるべきは書籍代なのですが、この本のように、手に持つ喜びを与えてくれる本にであると、なかなか自制がききません‥‥ 困った‥‥
追伸
唐突な無職宣言ですみません。お世話になった会社にはまだしばらく在籍できたのだけれど、いまの自分のためだけに時間を使ったほうがよいかなと思った次第です。いずれ仕事には復帰したいと思っていますが、しばらくぼんやりと本を読んで過ごすつもりです。
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